mubeのブログ

猫とハンドメイドと病とリハビリ

看取るということ

5月17日 ザ・ノンフィクションの放送を観て。

18年間、保健所から引き取り一緒に生きてきた、獣医さんとしての芯にもなってくれた花子というワンコと、尊敬に値する獣医さんとのお話。後編は花子の看取りと闘病中の看護が中心でした。

 

「少しでも穏やかに」

「ワンちゃんは長生きしたいんじゃないの。飼い主さんと一緒にいたいの」

 

我が家も昨年の1月に18歳と半年のロクというニャンコを看取りました。

これで何度目か。多分10回以上は関わったワンコ、ニャンコを見送っています。

ちゃんと、最後の瞬間、手を握り締めてたり抱っこしてあげてたりは7匹目。

現在も上は18歳から下は10歳まで6匹のニャンコがいます。

保護猫、通いネコをいれると20匹近くいたときもあったから、三分の一になっちゃったね。

 

ロクも通いネコが連れてきた仔猫のうちの1匹でした。

母猫はいつの間にか来なくなってしまったけど、ロクは「入りたい?うちの子になる?」と聞いたら生後4か月くらいでとっとこ入ってきて、母の布団に潜り込んでスヤスヤ寝て、そのままうちの子になった賢い子。

 

我が家は最初、庭でワンコを飼っていて、そのワンコが引っ越しの時に置き去りにされた元飼い猫に自分のご飯を分けて一緒に食べていたというところから猫ラッシュが始まりました。避妊手術をされていなかったんです。更に、そのニャンコはお友達もつれてきてしまったという・・・・。

2匹で代わる代わるシーズンごとに仔猫をころころ産んで、里親さんをネットで探したり、父が会社の人たちにもらってもらったりしましたが、もう無理!ってなって、野良でもいいよと言ってくださった獣医さんに捕獲機かりて手術してようやくストップをかけられました。

 

話それたな。(ニャンコ話は尽きないのでまた後日)

 

ロクは甲状腺の悪い病気にかかってしまって、お薬を飲みながらの闘病を続けていました。

その2年前は初めての三毛猫の女の子だった、お嬢を癌で亡くしました。その前の年は今の我が家の子たちの母猫である半野良のスズ。その前は・・・、と書いてたらきりないんだけど。

 

看取り、見送るということを本当に教えてくれたのは、我が家のワンコがご飯を分け与えた置き去りにされたニャンコです。

 

ワンコ、乳がんでした。なにかお腹にぼこぼこできてる?と気ついてからはあっという間だったんだけれど、その子が亡くなった時、一緒に犬小屋で見守るように付きっ切りでいてくれたのは、そのニャンコでした。

当時、ペーパードライバーだったので、動物霊園からのお迎えの車に来てもらった時も玄関でずっとちょこんと座っていました。ワンコの亡骸を乗せた車を、家の角を曲がって車が見えなくなっても、まるで待っているかのようにずっと家の門に座ってジッとしてました。それは夜になって夕飯をあげに行くまで続きました。ご飯を食べるときょろきょろしながらもワンコのいた犬小屋に入って待ち続けているかのようでした。

 

「もう帰ってこないんだ。」

わからない。のか、わかりたくないのか。どっちだったんだろう。

でもただ、寄り添う。送り出す。

ウチのワンコ、凄い親友を見つけてたんだなぁ、そう思いました。

 

我が家の家の中で、もうだめかもしれない、今日が終わりかな、まだ明日も生きててくれるかな、そんな状態になった時は、両親か私か誰かしらが付きっ切りになって、いい子だね、大丈夫よ、もう頑張らなくていいからね、そんな言葉をかけます。

 

だって、もう、私たちに沢山幸せをくれてるし、病気で痛かったり苦しかったり、苦いお薬飲んだり、行きたくないであろう獣医さんに行ってお注射してたりと、凄く頑張って生きてくれていたんですもの。

 

死の淵を彷徨って、意識も朦朧として不安になってる子に、頑張れは言えません。

代わりに、ありがとう、と、いい子ね、可愛いねを繰り返します。

 

わずか3歳で風邪からあっという間に肺炎、多臓器不全を起こして入院中だったリンという子は、深夜の12時を回るころに入院先の獣医さんから電話が来て「急変したから、残念だけど迎えに来て」と。

もう、亡くなってしまったのかと父の運転で迎えに行きました。

 

「まだ、息をしてるうちにお家に連れて行ってあげて。ギュって抱っこしてあげて」

そう獣医さんに託されました。「お友達ともお別れさせてあげて」と。

大急ぎでタオルにくるんで、「リン、大丈夫だよ、お姉ちゃん、ここにいるよ。みんな待ってるよ、帰ろうね」車中でずっと声をかけて家の前について玄関を入って「ただいまだよ」、そう声をかけた途端、にゃ、と一声鳴いてちょっと身じろぎして、動かなくなりました。

 

最後まで、しっかり、ここにいるよと、ありがとうねを伝える事。

 

その最後の時を迎えるまで、少しでもこの子たちが「嬉しい」を感じる瞬間を多くしてあげる事。

 

忘れないようにしたいと思います。

 

リンを診てくれた獣医さんは、入院費を受け取ってはくれませんでした。

リンが野良から保護した仔猫で、ちゃんと治して仲間のところに返してあげられなかったからと。

かわりにバスタオルは何枚も必要だろうからと5枚ほど押し付けてきました。

今も我が家の子たちは、その獣医さんのお世話になっています。頼りになります。

 

最後に、ロクちゃんの雄姿です。

f:id:mubesama:20200517211638j:plain

ロク