mubeのブログ

猫とハンドメイドと病とリハビリ

お客様は女神様

数年前、スーパーでパートをしていた時に「女神様」と呼ばれるお客様がいらっしゃいました。

 

レジ担当は勿論、店頭に関わる従業員、みんなに「ああ、あの女神様みたいなお客様ね!」と知られていたお客様です。

 

年齢は30代前半くらい。結婚指輪をしていらっしゃったので主婦の方だと。

ふんわりとした綺麗な黒髪に、ナチュラルで飾り化が無いのになんだかオシャレ。

取り出すお財布やバッグもハンドメイドかオーダーか、とてもその方に似合っていて、ナチュラル感と清潔感が漂って「素敵だなぁ」と思わせるものでした。(従業員、けっこう見てます。)

 

雰囲気が素敵というのもありましたが、店員への接し方がとても優しいのです。

 

何か物を聞くときは「お忙しい所、すいませが・・・」で始まり、商品へのご案内や説明をした後には「ありがとうございます」とにっこり笑顔で会釈をしてくださいます。

会計でレジに並ばれた時も、にこにこ笑顔で待ってくださって、会計が終わって「ありがとうございました」と言えば「どうもありがとう」と必ずお礼を言ってくださいました。

混んでいるときにレジ担当でない私や品出し専門のパートさんがレジ応援に入って、ワタワタしちゃったときには「急ぎませんから大丈夫ですよ。」とこれまたにっこり笑顔で見守ってくれるんですよ。

帰り際に「ありがとうございました~」とお声をかけるのが習わしですが、そんな声にも「また来ますね」とにっこり会釈。

 

急がず、ゆっくり、笑顔と「ありがとう」。

あの醸し出す素敵な雰囲気は、ひとつひとつの丁寧な言葉使いと笑顔から出来上がるものなんじゃないかなぁと。

 

従業員みんなでうっとりしながら「みんなお客さんがあの女神様みたいだといいのに~!」と言ってました。

 

スーパーの仕事場は戦争です。かなり忙しい店だったので余計にそう思うのですが、どの担当になっても戦場でした。

商品は並べる横からばんばん無くなって出しても出しても追いつきません。そんな中、売り場がわからないお客さんを商品があるところまで案内したり、使い方を説明したり。

籠いっぱいに詰め込まれている商品をレジでは、重い物軽い物潰れてはいけない物暖かい物冷たい物を整理しながら会計済の籠にテキパキ並べなおして入れていきます。

後ろに列ができてるのを少しでも待たせないように、エンドレスで立ちっぱなし。

 

その他にも、色々、色々、本当に色々なお客さんがいらっしゃるので従業員は疲弊します。

 

そんな時に、いつもにっこり笑顔で「ありがとう」を言って下さるお客様は本当に女神様に見えました。

 

私はいろ~~~~んなお客さんに耐え切れず、張り付いた作り笑顔が痙攣をおこしメンタルが持たないとリタイヤしました。

 

逆にお客さんという立場になっていますが、少しでもあの女神様に近づけるよう心掛けています。

慌てない、急がせない、教えてもらったり、会計が済んだら「ありがとう」。

 

スーパーだけじゃないと思うんですけど、接客業すべての店員さんは、お客さんの「ありがとう」で疲れがちょっと減るんじゃないかな。

少なくとも、現場にいた頃の私は「あ、良かった」と嬉しくなりましたよ。

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